家庭でできる食中毒予防方法!3原則と6つのポイントをチェックして食中毒のない夏を過ごす
夏になると集団食中毒のニュースが話題になります。
家庭と違う環境で発生しているため、「自分には関係ないわ。かかった人はお気の毒。」と思っている方も多いでしょう。
しかしながら、食中毒は飲食店や屋外だけで発生するものではありません。
毎年家庭内でも食中毒は起こっており、何人もの患者さんが病院受診されているのです。
重症化すると命の危機にもさらされる食中毒、できればかかりたくないですよね。
でも食中毒は、予防方法を知っていれば感染リスクを減らせます。
食中毒の予防方法を知らない方や食中毒と今まで無縁だった方でもこの記事を読めば、この夏も食中毒にかからず楽しく過ごせますよ。
そこで今回は家庭内でできる食中毒予防方法について解説します
それでは最後までお読みください。
では1つずつ説明していきましょう。
- 食中毒予防3原則
- 食中毒予防するためのポイント
- 家庭で起こりやすい食中毒
食中毒の予防方法をチェックして、夏も美味しい食事を楽しみましょう!
家庭でできる食中毒予防方法!3原則「つけない」「増やさない」「やっつける」
食中毒のニュースを見ると、飲食店や野外での食事での発生が取り上げられているので、家庭内では起こらないと思われがちです。
しかしながら、食中毒は家庭でも起こっており、中には重症化することもあるので注意が必要です。
ここでは、食中毒予防の3原則
- つけない
- 増やさない
- やっつける
を1つずつ説明していきます。
家庭でできる食中毒予防方法原則1:つけない
まずは食中毒の原因である細菌やウイルスをつけないことです。
自分の手や使用済みの調理器具には、目に見えない細菌やウイルスがついていることがあります。
そのため、調理や食事の際には手洗いをしましょう。また、調理のときにも包丁やまな板などの調理器具を、洗剤でこまめに洗っておくと安心です。
とくに、肉や魚を扱った後は念入りに調理器具を洗う必要があります。なぜなら、肉や魚にはウイルスや細菌がついていることが多いからです。
肉や魚を保存するときにもウイルスや細菌が他の食品につかないよう、ビニール袋やラップで包装しておきましょう。
家庭でできる食中毒予防方法原則2:増やさない
常温で食品を放置すると、すぐに細菌やウイルスが増えます。肉や魚は細菌やウイルスが増えやすいのでとくに注意が必要です。
そのため、魚や肉は調理する直前まで冷蔵庫で保管しておき、取り出したら速やかに流水で洗って調理しましょう。
冷蔵庫で保管しておくことで、細菌やウイルスが増えるのを抑えることができます。
家庭でできる食中毒予防方法原則3:やっつける
十分加熱することで、多くのウイルスや細菌をやっつけることができます。
しかしながら、短時間の加熱では意味がありません。食材の中心部まで十分熱がとおるよう、加熱しましょう。
とくに肉は生焼けや半熟の状態では細菌やウイルスが残っているこが多く、食中毒の原因になります。
家庭でできる食中毒予防6つのポイント
食中毒予防の3原則がわかったところで、次は家庭でできる食中毒予防の6つのポイントをご紹介します。
- 食品の購入:新鮮な食品を早く持ち帰る
- 食材の保存:冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意
- 下準備:手洗いを入念に行う
- 調理:食材に火をしっかり通す
- 食事:調理後はすぐに食べる
- 残った食品:常温で置きっぱなしにしない
どれも今日から意識すれば簡単にできるものばかりです。暑い夏が来る前にぜひチェックしておきましょう。
ポイント1:食品の購入:新鮮な食品を早く持ち帰る
食品を購入する際には、新鮮な食品を購入してすばやく持ち帰りましょう。また、表示されていれば消費期限を確認して購入します。
ただでさえ生鮮食品は傷みやすいのですが、高温多湿な夏にはとくに傷みやすいためです。できれば生鮮食品は最後に購入するのがおすすめです。
消費期限が表示されている食品であれば、消費期限内のなるべく早い時期に消費するようにしましょう。
また、生肉や魚はビニール袋に入れて他の食品が触れないようにしましょう。
汁が他の食品につくことで、細菌が他の食品に移ることがあるからです。
ポイント2:食材の保存:冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意
食品は計画的に購入し、購入した食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫へ。また、冷蔵庫や冷凍庫には食材を詰めすぎないようにしましょう。
冷蔵庫や冷凍庫に食品を詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり、内部の温度は上がりやすくなります。
詰め込む目安は、冷蔵庫の7割程度までにしましょう。
冷蔵庫や冷凍庫の内部の温度が上がると、細菌やウイルスの増殖を抑える効果が減ってしまいます。
冷蔵庫・冷凍庫の内部温度は、
- 冷蔵庫は10℃以下
- 冷凍庫は-15℃以下
を目安に、内部の温度をなるべく上げないようにするといいですね。
また、冷蔵庫を清潔にすることも食中毒予防には効果的。さらに電気代も節約できます。
冷蔵庫の掃除・整理整頓の仕方については、以下のページに詳しく記載されていますのでぜひ、ご覧ください。
https://japanese-meal.com/refrigerator-electricity-bill/
ポイント3:下準備:手洗いを入念に行う
調理前後には、手洗いを行います。とくに肉、魚、卵を取り扱った後には入念に手洗いしましょう。
調理する前、手に細菌やウイルスが付着しても、手洗いをすれば細菌やウイルスが手から食品に移ることを防げます。
また、生肉や魚、卵を取り扱うと、気を付けていても汁が手に付着することがあります。手洗いでそれらの汁を洗い流し、ウイルスや細菌が調理器具や食品にうつらないようにしましょう。
さらに、手洗いした後に手を拭くふきんやタオルは、こまめに新しくて乾燥したものに取り替えます。
ポイント4:調理:食材に火をしっかり通す
調理する時には、食材に火をしっかり通します。
火をしっかり通すことで、ウイルスや細菌をやっつけることが可能です。
肉や魚であれば、中心部を75℃以上で1分以上加熱するようにしましょう。
味噌汁やカレーなどの汁物の場合、空気を嫌うウェルシュ菌が増殖することがあります。ウェルシュ菌とは食中毒原因となる細菌の1つです。
ウェルシュ菌はやっかいなことに、一度増殖してしまうと加熱してもなかなか滅菌することができません。
ウェルシュ菌は空気を嫌う特性があるので、汁物を再加熱する際にはよくかき混ぜて鍋底にも空気が行き渡るようにしましょう。
ポイント5:食事:調理後はすぐに食べる
常温であれば、ウイルスや細菌はすぐに増殖します。例えば、食中毒の原因として有名な大腸菌O-157は、室温でも10〜15分で2倍に増殖します。
調理後は、すぐに食べるようにしましょう。
ポイント6:残った食品:常温で置きっぱなしにしない
残った食品は、常温で置きっぱなしにしないようにしましょう。
ポイント5で説明したとおり、常温であれば、ウイルスや細菌はすぐに増殖します。
冷蔵庫や冷凍庫に保管して、温めて食べるものは十分に加熱するようにしましょう。目安は75℃以上です。
時間が経ちすぎたものなどは、食べずに捨てるようにしましょう。
家庭の食中毒の原因にはどんなものがあるの?
食中毒の原因となるのは、細菌やウイルス、寄生虫です。夏に発生する食中毒でとくに多いのが細菌が原因の食中毒になります。
- O-157
- カンピロバクター
- サルモネラ菌
O-157、カンピロバクターは主に牛肉や鶏肉、サルモネラは鶏肉や卵が原因で発症します。
肉類はしっかり加熱してこれらの菌による食中毒を防ぎましょう。
卵は賞味期限内でしたら、生卵で食べても問題ありませんが、期限を過ぎたら加熱して食べるのが基本です。
ただ、体力が落ちているときは賞味期限内でも食中毒になる恐れがあるので、生卵を食べるのは控えた方がいいでしょう。
卵は常温保存できますが、出し入れすることにより卵の殻に水滴(汗)が付かないよう気を付けます。
また卵を持って帰る途中で、殻にヒビが入ったり割れたりしたものは、すぐに調理して食べるか捨てるかしましょう。
割った後の卵を冷蔵庫で保存するのもNG。殻から中身が露出した卵は菌が非常に繁殖しやすい状態だからです。
また、前は牡蠣等2枚貝のウイルスが原因で冬場に流行していたノロウイルス。
近年は人から人への感染も増えてきており、年中発症するようになってきています。
夏場だからといって安心できません。
まとめ:食中毒は家庭でも発生するので注意する
食中毒は、家庭でも発生するものです。しかし、これまでに書いてきた3つの原則と6つのポイントを守れば、十分に予防できます。
- 食中毒は家庭内でも発生するので油断してはいけない
- 家庭内での食中毒予防は【つけない・増やさない・やっつける】の3原則
- 調理中はこまめに手洗いを行い細菌やウイルスの付着がないようにする
- 肉は生焼けや半焼けにならないよう十分加熱して調理する
しかしながら、十分気を付けていて食中毒になることはあります。
下痢や嘔吐など食中毒の症状が出た場合、下痢止め薬などの薬はむやみに服用しないようせず、早めに医師の診断を受けましょう。