開栓したペットボトルはいつまで飲める?雑菌の繁殖に注意して早めに飲みきろう
もはや暮らしの必需品ともいえるペットボトル。毎朝1本買って仕事や学校へ向かう、という方も多いかもしれませんね。
そこで気になるのがペットボトル飲料はいつまでに飲みきるべきなのか、という点です。ペットボトルには「開栓後はお早めにお飲みください」などと表記されていますが、具体的にはいつまでに飲みきれば問題ないのでしょうか。
- 開栓後のペットボトル飲料をいつまでに飲みきるべきか
- とくに注意したい雑菌が繁殖しやすい環境
- 飲みかけのペットボトルを放置する危険性
- ペットボトルを水筒代わりに使うべきでない理由
今回は開栓後のペットボトルをいつまで飲みきるべきかや、ペットボトルのドリンクを飲む際に注意したい点などについて解説します。
開栓したペットボトルはいつまで飲める?
とくに小型のペットボトルは口をつけて直接飲むことが多く、雑菌などが気になりますよね。それでは開栓しても口をつけなければ、中のドリンクは長持ちするのでしょうか。
それでは、それぞれの場合でいつまで飲みきるべきかについてチェックしておきましょう。
ペットボトルに口をつけた場合はその日のうちに飲みきる
ペットボトルに口をつけて飲んだ場合は、その日のうちに飲みきるようにしましょう。
ペットボトル飲料を直接飲むと口の中の雑菌が流れ込み、繁殖しやすくなってしまいます。食中毒や腹痛、下痢などの原因となることもあるため注意が必要です。
コップを使って飲んだ場合は冷蔵庫に保管し早めに飲みきる
ペットボトルに口をつけずに飲んだ場合もできるだけ早めに飲みきることをおすすめします。冷蔵庫に保管し、2〜3日を目安に飲み切りましょう。
口をつけていなければ雑菌が入り込む機会もないように思えますが、ペットボトルは開栓すると空気に触れる量が増えるため、空気中の雑菌が入り込みやすくなってしまいます。
飲みかけのペットボトルには雑菌が繁殖しやすい
ペットボトルは口をつけた・つけていないに関わらず、開栓後はできるだけ早く飲みきることが重要です。
じつは口の中は体全体でも細菌が多い場所。大人の口の中には歯をよく磨く人でも1,000〜2,000億個の細菌が潜んでいるといわれています。直接口をつけることで、それらの菌がペットボトルに入り込むのは容易に予想ができますよね。
また空気中にも雑菌は浮遊しており、たとえまったく口をつけていないペットボトルであっても、開栓することで空気に触れやすくなるため、安心はできません。
さらに、次のような場合には雑菌の繁殖により気をつける必要があります。
砂糖の入った甘いドリンクのペットボトルに注意
スポーツドリンクや甘いコーヒーなど、砂糖の入った清涼飲料水は、緑茶やミネラルウォーターに比べて雑菌の繁殖力が大きくアップします。
清涼飲料水は砂糖などをエサにして細菌が繁殖するためです。一方、緑茶やミネラルウォーターは甘い清涼飲料水に比べて細菌の繁殖力は抑えられるものの、食事中に口をつけることが多いため、食べかすなどが流れ込みやすい傾向にあります。
緑茶やミネラルウォーターだから大丈夫と思わずに、開栓したペットボトル飲料はできるだけ早めに飲みきるようにしましょう。
気温の高い時期に注意
とくに気温が高くなる時期は飲みかけのペットボトルを放置するのは危険。気温30〜35℃ほどで雑菌の繁殖が非常に活発になります。
飲みかけのペットボトルはできるだけ低い温度をキープできる場所に置き、可能なら冷蔵庫で保管するよう心がけましょう。
ペットボトルの中身にこんな様子が見られたら注意
しばらく置きっ放しにしておいたペットボトルの中身に次のような様子が見られたら注意し、すみやかに処分しましょう。
- おかしな味がする
- おかしなにおいがする
- 分離したり、濁ったりしている
- 浮遊物がある
- 容器が膨らんでいる
飲みかけのペットボトルを放置すると危険な場合も
飲みかけのペットボトルを常温で放置したままにしておくと、破裂し怪我をしてしまうおそれもあります。
原因は飲みかけのペットボトル内に発生する炭酸ガス。
果汁飲料や炭酸飲料などは、入り込んだ雑菌(酵母)のはたらきによって炭酸ガスが発生しやすくなり、室温に放置しておくことで徐々に蓄積します。発生した炭酸ガスによりペットボトルの内圧が高まり、少しの衝撃でキャップが飛んだり、容器が破損したりし、怪我につながることがあるのです。
実際に毎年ペットボトルの破裂事故の報告があり、怪我をする人も少なくありません。冷蔵庫に入れておくことで酵母のはたらきは抑えらえるため、しばらく飲まないときは冷蔵庫へ保管しておくようにしましょう。
ペットボトルを水筒代わりに使うのはNG!
軽くて持ち運びに便利なペットボトルですが、飲み終わった後に水筒代わりに使うのはNGです。
ペットボトルは再利用を想定して作られていないため、衛生面や耐久面においてリスクが高まります。ペットボトルを再利用した場合、市販の状態のペットボトルよりも細菌数が多かった、という研究も。
使い終わったペットボトルはお住まいの自治体のルールにしたがって処分・リサイクルするようにしましょう。
開栓したペットボトルはできるだけ早く飲み切ろう
一度開栓したペットボトルは口をつけてもつけていなくても、できるだけ早く飲みきりましょう。いずれの場合も雑菌が入り込み、繁殖するきっかけとなってしまいます。
- 開栓し口をつけたペットボトルはその日のうちに飲みきる
- 開栓し口をつけていないペットボトルは冷蔵庫に保管し、2〜3日のうちに飲みきる
- 砂糖の入った甘いドリンクや気温の高い日はとくに注意が必要
- 飲みかけのペットボトルを放置すると破裂などの危険がある
- ペットボトルは水筒代わりに使わない
便利で使う頻度の高いペットボトルだからこそ、日ごろの扱い方を見直してみませんか?
- 一般社団法人日本訪問医師会「お口の中は細菌がいっぱい」
- 日本コカ・コーラ株式会社「よくあるご質問:開栓後はどのくらいの期間で飲めばいいですか?」
- CiNii「弘前大学ペットボトル入り飲料に関する研究」