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傷病手当金とは?病気や怪我で会社を休むなら必ず申請するべき!

店長ゆき

病気になったら傷病手当金を使ったほうが良いと聞いたけれど、使い方をよく知らない人は多いです。

病気や怪我によって働けなくなったとき、給与がもらえない場合には傷病手当金を受け取ることができます。

しかし、傷病手当金を受け取るには支給されるための条件に当てはまった上で、申請手続きを行わなければなりません。

そこで今回は、傷病手当金とはどのようなものなのかから、支給される条件や申請手続きなどについて解説していきます。

傷病手当金についてしっかり理解して、病気や怪我でお給料がもらえないことへの不安をなくしましょう。

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傷病手当金とは?

傷病手当金とは?
傷病手当金とは、病気や怪我を治している期間、労働者やその家族の生活を守るために作られた制度のことです。

労働者が病気や怪我によって会社を休んでいるときに支払われます。

働けなくなったときに傷病手当金があれば、生活に不安がなくなるので安心です。

しかし、傷病手当金には支給期間が定められているので、確認しておきましょう。

傷病手当金の支給期間

傷病手当金の支給期間は、1つの病気や怪我について支給開始から1年6ヶ月間となります。

これは、暦上の期間であり、実際に受給した期間というわけではないことに注意が必要です。

もしも一度復職して傷病手当金を受け取っていない時期があったとしても、最初に支給された日から1年6ヶ月が経過すれば傷病手当金の支給期間は終わってしまいます。

病気や怪我が完治していないとしても、支給期間が伸びることはないので覚えておいてください。

傷病手当金の支給金額

傷病手当金の支給金額は、以下のような計算式で求めることができます。

傷病手当金の1日あたりの金額=支給開始日より前の12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 × 2/3

もしも支給開始日より前に12ヶ月間もないようであれば、以下のいずれかを比べて少ない金額を使用して計算します。

  • 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
  • 28万円(当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)

ちなみに、標準報酬月額がわからない場合には、以下のページから確認してください。

給与明細書に記載されている厚生年金保険料の金額から、逆算することができます。

ここまでで、傷病手当金の制度概要や受け取れる金額、受け取れる期間がわかってもらえたはずです。

傷病手当金を使えば、万が一病気や怪我によって会社を休むことになっても安心だと言えます。

しかし、傷病手当金を受け取るには条件があるので、しっかりと確認しておきましょう。

傷病手当金を受け取る条件

傷病手当金を受け取る条件
傷病手当金を受け取る条件は、以下の4つがあります。

  1. 仕事以外の理由での病気や怪我の療養のための休業である
  2. 病気や怪我によって仕事に就くことができない
  3. 連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかった
  4. 休業期間に給料の支払いがない

これらの条件をすべて満たす場合には、傷病手当金を受け取ることができます。

病気や怪我による休業ならどんなときでも傷病手当金を受け取れるというわけではないのです。

それぞれの条件について、順番に確認していきましょう。

条件1.仕事以外の理由での病気や怪我の療養のための休業である

仕事以外の理由による病気や怪我のために休業していることが最初の条件です。

業務上の病気や怪我や、通勤災害による病気や怪我、美容整形による病気とはみなされない状態は、傷病手当金の支給対象外となります。

しかし、健康保険給付としての療養だけではなく、自費診療で仕事に就けないと診断された場合でも問題ありません。

傷病手当金を受け取りたいと考えたとき、まずは業務上の病気や怪我かどうかを考えてみましょう。

条件2.病気や怪我によって仕事に就くことができない

病気や怪我のせいで仕事に就くことができないというのも条件となります。

傷病手当金の制度趣旨は、仕事に就けない労働者やその家族を守るというものだからです。

仕事に就けないという条件を満たすのかどうかは、医師の意見をもとに労働者のもともとの仕事内容を考慮したうえで判断されます。

たとえ病気や怪我になったとしても、もともとの仕事内容には関係のないものであれば傷病手当金を受け取ることはできません。

条件3.連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかった

病気や怪我の療養のために仕事を休んだ日から、連続して3日間休み、4日目以降の仕事も休んだ場合に傷病手当金が支給されます。

この3日間の休みには、有給休暇や土日祝日などの休みも含まれることがポイントです。

つまり、3日の間に給料を受け取っていたのかは考える必要がありません。

ちなみに、仕事をしている時間に業務とは関係のない理由で病気や怪我になった場合には、その日が3日間の初日となります。

条件4.休業期間に給料の支払いがない

休業している期間中に給料が支払われていないということが最後の条件となります。

傷病手当金は、病気や怪我で休んでいる間の労働者と家族の生活を守る制度だからです。

しかし、もしも給料の支払いがあったとしても、傷病手当金の金額より少なければ差額は支給してもらえます。

以上が、傷病手当金を受け取るための条件でした。

単に病気や怪我で休むというだけでは傷病手当金を受け取れないので気をつけてください。

それでは、条件に当てはまっていたときのために、傷病手当金の申請手続きについても見ていきましょう。

傷病手当金の申請手続き

傷病手当金の申請手続き
傷病手当金を申請するには、以下のような手続きが必要となっています。

  1. 会社への報告と待機時間の完成
  2. 医師に意見書を記入してもらう
  3. 会社に事業主証明を記入してもらう
  4. 傷病手当金の申請をする

いきなり傷病手当金の申請をするのではなく、条件を揃えたり必要な書類を集めたりしなければなりません。

それぞれの手続きについて、順番に確認していきましょう。

手続き1.会社への報告と待機時間の完成

病気や怪我で働けなくなったとき、まずは会社にそのことを報告しましょう。

傷病手当金を申請するためにはもちろんですが、いきなり長期で休むと業務に支障が出やすいためです。

有給を使うのかどうかという点も会社に相談しなければならないので、早めに連絡をしてください。

傷病手当金を使うためには、連続する3日間休んだ上で、4日以上働けなかったという条件を満たさなければなりません。

したがって、4日間休んでこの条件をクリアしましょう。

手続き2.医師に意見書を記入してもらう

傷病手当金を申請するためには、医師の意見書が必要です。

病気や怪我を診てくれている医師に、傷病手当金支給申請書の意見書を書いてもらいましょう。

病院によって即日書いてもらえる場合と、2週間程度かかる場合があります。

したがって、スムーズに傷病手当金を受け取るためには早めに行動するべきです。

手続き3.会社に事業主証明を記入してもらう

傷病手当金支給申請書には、医師が書くところだけではなく事業主である会社側が書く部分もあります。

会社に書いてもらうのは、会社を休んでいることとその間に給料を支払っていないことです。

医師だけではなく、会社側にも書類を書いてもらうので、電話や郵便でのやり取りをしなければなりません。

誰が担当となってくれているのかを早い段階でしっかりと確認しておきましょう。

手続き4.傷病手当金の申請をする

医師の意見書と会社の事業主証明を書いてもらえたら、傷病手当金の申請を行います。

このとき、本人が書かなければならない部分もあるので、申請書を確認してください。

書類は会社から健康保険組合や協会けんぽに提出されることが通常となっています。

書類が提出されると、支給決定通知書か不支給決定通知書が送られてくるので、それまで待ちましょう。

支給決定通知書が届いた場合には、指定した口座に傷病手当金がすぐに振り込まれます。

だいたい申請してから3週間程度を見ておくと良いです。

会社が健康保険組合や協会けんぽに書類を出すのが遅れると、傷病手当金の振込も送れてしまうので注意しておいてください。

以上が、傷病手当金を申請する際に必要な手続きでした。

傷病手当金を申請するためには準備が必要なので、医師や会社に協力してもらいましょう。

それでは最後に、傷病手当金をを利用するときに知っておくべき注意点を見ておきます。

傷病手当金を利用するときの注意点

傷病手当金を利用するときの注意点
傷病手当金を利用するときには、金額の調整や支給停止の可能性があることに気をつけなければなりません。

どのようなときに注意しなければならないのかというと、他の公的な給付金を受け取るときです。

たとえば、以下のような場合が考えられます。

  • 出産手当金を受け取る場合
  • 労災保険の休業補償給付を受け取る場合
  • 老齢年金を受け取る場合
  • 障害年金を受け取る場合
  • 障害手当金を受け取る場合

これらの場合にあなたが当てはまるのであれば、傷病手当金の金額が思うようにもらえないかもしれません。

なぜなら、上に挙げたお金を受け取ると傷病手当金を支給されないか、差額しかもらえないからです。

傷病手当金の制度の目的は、病気や怪我をした労働者やその家族を守ることだとされています。

したがって、他の公的な制度によってその目的が果たされているのであれば、傷病手当金という名目でなくても問題ないのです。

まとめ

傷病手当金とは?病気や怪我で会社を休むなら必ず申請するべき!
傷病手当金とは、病気や怪我を治している間に、労働者やその家族の生活を守るために作られた制度のことです。

労働者が病気や怪我によって会社を休んでいるときに支払われます。

ただし、傷病手当金を受け取るには条件を満たさなければならないので、病気や怪我で休むことになったらまずは条件を確認しましょう。

条件を満たせば、所定の申請手続きを行うだけで傷病手当金を受け取ることができます。

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お金と暮らしの相談カフェ、店長のゆきです。 カフェにいらっしゃったお客様の悩みや質問にお答えしています。
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