和食の良さを再確認しよう!おかず・汁物を簡単に調理するコツについても
和食と聞くとどんなイメージをもちますか?
「健康的、栄養バランスが良い、野菜がたくさん摂れる」
と言ったポジティブなイメージがある一方で、
「手間がかかる・面倒、地味・色どりが少ない」
と言ったネガティブなイメージもあります。
和食は健康に良いと分かっていながらも、作るのに手間がかかることからつい敬遠してしまう人が多いのが現状です。
でも、実は手間がかかるとイメージしがちな和食のおかずや汁物は洋食よりも簡単に作れるのです。
- 和食の3つのメリット
- 和食は生活習慣病の予防に効果的
- 和食文化を守るユネスコ無形文化遺産の登録
- 和食のおかずや汁物を手軽に調理するコツ
毎日の食卓に和食おかずや汁物を取り入れて和食の良さを再確認してみましょう。
和食の良さを再確認しよう!
健康に良いと言われている和食ですが、取り入れることで3つのメリットがあります。
- 和食は一汁三菜でバランスよく栄養を摂取できる
- 和食のご飯は満腹感を得やすい
- 和食おかずや汁物から豊かな四季を感じられる
ここでは、それぞれのメリットを詳しくみていきます。
和食は一汁三菜でバランスよく栄養を摂取できる
和食の基本は「一汁三菜」で主食のごはんを中心に、味噌汁などの汁物、3つの菜(おかず)から成る食事です。
和食の「一汁三菜」の食事スタイルは、一回の食事で多くの食材を食べられるため、さまざまな栄養をバランスよく摂取することができます。
和食のごはん、汁物、おかずの組み合わせで摂れる主な栄養素は以下のとおりです。
【和食で摂れる主な栄養素】
- 炭水化物
- たんぱく質
- 食物繊維
- ミネラル
- ビタミン
1回の食事でこれだけの栄養素が摂れるのは和食の大きな特徴です。
和食の一汁三菜の歴史
一汁三菜の歴史は古く、平安時代にはその原形があります。
従来、和食はひとりずつ独立した膳で食べるものでした。
テレビの時代劇で脚のついた膳がよく出てきますよね。
さらに来客時には膳を2つ使い、2種類の汁物と5つのおかずの「二汁五菜」でもてなす文化がありました。
それを受けて普段の食事を一汁三菜と呼んだ、と考えられています。
和食のご飯は満腹感を得やすい
和食のご飯は、満腹感を得やすく食べ過ぎを防止してくれます。
ダイエットと聞くとご飯は禁物と思われがちです。
でも、ご飯には消化吸収がゆるやか・水分量が多くお腹に溜まりやすいという特徴があるので、全体的な食事量を減らすことにつながります。
適正量のご飯はダイエットをサポートする役割があるのです。
健康的にダイエットをしようという方こそ、ご飯を中心とした和食の食生活を心がけたいですね。
和食おかずや汁物から豊かな四季を感じられる
和食のおかずや汁物に使われる食材から日本の豊かな四季を感じることができます。
山や海、川からの豊富な恵みを季節ごとに味わえます。
また出汁を使い、食材の持つおいしさを最大限にいかした調理法で楽しむのも和食の特徴です。
野菜や魚は旬を意識しながら献立を考えると、食卓に季節を感じる喜びも楽しめます。
和食を摂るべき理由。生活習慣の予防と食文化の保護
厚生労働省の調査によると平成29年の死因のランキングは以下のようになっています。
【平成29年の死因ランキング】
- 1位 がん
- 2位 心疾患
- 3位 脳梗塞、脳出血
病気の原因は様々ですが、その1つに生活習慣病が挙げられます。
そして、生活習慣病の予防には栄養バランスの良い和食中心の食生活が効果的です。
生活習慣病の予防
日本人の主な死因を占めているがん・心疾患・脳梗塞を含む生活習慣病は、食生活の欧米化が1つの原因に挙げられます。
パンや麺類、揚げ物、ステーキなど忙しくなると私たちはつい手軽に食べられる欧米食を摂りがちです。
でも、手軽に摂れる欧米食は高たんぱく・高脂質なため、生活習慣病や肥満を促進します。
そこで、健康のために取り入れたいのが日本型食生活、和食です。
和食は1食で栄養バランスが摂れるだけでなく、食べ過ぎや肥満防止の効果が期待できます。
日本型食文化「和食」の保護
日本の食が和食から欧米化へ向かっている中、2013年に和食はユネスコ無形文化遺産に登録されました。
これは、日本人の伝統的な食文化である和食が世界に認められた大きな出来事です。
喜ばしい出来事ですが、実は和食のユネスコ無形文化遺産への登録にはもう1つ大きな理由があります。
それは和食の保護です。
ユネスコ無形文化遺産の本来の意図は、「危機に瀕している文化」を保護することにあります。
和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは、食の欧米化で和食離れが進む日本に警鐘を鳴らした出来事でもあるのです。
私たちは自国の食文化を守るためにも和食を積極的に摂る必要があります。
和食のおかずや汁物を簡単に調理するコツ
和食の良さは分かったものの、和食のおかずや汁物を作るのは手間がかかり大変だと思っている人が多いかと思います。
確かに、おかず3品と汁物を毎日きちんと調理しなければ…と考えると和食のハードルは上がってしまいます。
ここからは、忙しい私たちでも、毎日簡単に和食のおかずや汁物を調理するコツをご紹介します。
「そのままでOK」「火を使わない」和食おかず・汁物のレパートリーを増やす
肩の力を抜いて、「そのまま出してOK」「火を使わない」な和食おかずのレパートリーを増やしましょう。
たとえば冷奴や納豆、めかぶなどのおかずなら、冷蔵庫から出して器に盛るだけで大丈夫ですよね。
また魚焼きグリルや電子レンジを使った和食おかずの調理法もおすすめ。
季節の野菜をグリルで焼き、塩やオリーブオイルをかけるだけでも立派な一品になりますよ。
電子レンジだけでできる和食おかずのレシピも数多くあるので、レパートリーに追加しておくといざという時に助かります。
具だくさんの和食の汁物で不足しがちな栄養を補う
時には炊飯ボタンを押すので精一杯、ということもあるでしょう。
いくつもおかずを作る元気はない、というときには汁物を具だくさんにするのがおすすめです。
野菜だけでなく、常備してある豆腐や薄揚げ、わかめ、お麩、卵などを入れれば、栄養も満点。
味噌汁だけでなく、すまし汁や中華スープなどバリエーションを増やせば飽きることもありません。
多めに作りおきしておけば、翌日も朝から栄養たっぷりの汁物で元気にスタートできますよ。
和食おかずの主菜は「焼くだけ」「炒めるだけ」に
主菜はメインのおかずだからと、手間や時間をかけなければならないわけではありません。
肉や魚を焼いて塩を振るだけでも立派な主菜です。野菜と炒めたり、卵でとじたり、シンプルな調理法でOK。
難しく考えすぎると、習慣として続きません。あれこれ凝ったレシピにチャレンジするよりも、まずはできる範囲の調理法で続けることを意識しましょう。
和食のおかずや汁物に迷ったら「栄養バランスガイド」をチェック!
和食を毎日の食事に取り入れるときに迷うのが献立ではないでしょうか。
和食の一汁三菜はその名の通り、3つのおかずに1つの汁物が必要になります。
3食全く同じものを食べるとなると飽きてしまいますし、栄養バランスの偏りが気になります。
献立に迷った時に参考になるのが、2000年に厚生労働省と農林水産省が協力して作成した「栄養バランスガイド」です。
1日にどんな食材をどれだけ食べたらよいかがイラストで分かりやすくまとめてあり、健康で豊かな食生活の実現に役立ちます。
まとめ
世界からも注目を浴びている和食は、健康かつ食材そのものの味を楽しめるという理想的な食事スタイルです。
- 和食は1回の食事で栄養をバランスよく摂取できる
- 和食のおかずや汁物によって日本の豊かな四季を感じられる
- 和食は生活習慣病の予防に効果がある
- 和食のレパートリーは豊富でそのまま出せる・火を使わないおかずもたくさんある
忙しい私たちはつい手軽に摂れるパンや麺類などで食事を済ませがちです。
また、肉中心の食の欧米化が進んでいます。
日本に住んでいながら、和食を摂らない日本人が多くなってきています。
和食と聞くと「調理に時間や手間がかかりそう」と思われがちです。
でも、納豆や冷ややっこ、刺身など意外にも火を使わず素材そのものを出す和食おかずもたくさんあります。
健康のため、日本伝統の食文化である和食を守るためにも、和食の良さを再確認し、食卓に和食を取り入れましょう。