お歳暮を贈る時期はいつまで?もう迷わないお歳暮の選び方・贈り方
一年間お世話になった感謝の気持ちと、新しい年もどうぞよろしくという挨拶を込めて贈るお歳暮。
しかし、意外と知られていないのがお歳暮を贈るときのマナーやルールです。
せっかく心を込めたお歳暮でも、贈る時期や品物のセレクトなど、マナーが守られていないばかりにお世話になった相手へ失礼になってしまいかねません。
もちろん、もっとも大切なのは相手への感謝の心ですが、間違った方法で贈ってしまい、気持ちが伝わらないどころか、失礼にあたるようなことになっては残念ですよね。
- お歳暮を贈る時期
- お歳暮を贈るときのマナーやルール
- お歳暮の選び方のコツ
- お歳暮を贈る際の注意点
今回は、お歳暮を贈る時期はいつまでなら問題ないのか、お世話になった相手に失礼のない送り方や選び方など、お歳暮にまつわる疑問をすべて解決します。
お歳暮はマナーやルールを守って正しく贈り、新しい年もお世話になっている相手との良好な関係を保てるようにしましょう。
お歳暮を贈る時期はいつまで?
文字通り「年の暮れ」の時期に贈るお歳暮ですが、正しくはいつからいつまでの間に贈るのがマナーなのでしょうか?
お歳暮を贈る時期
お歳暮を贈る時期は、12月13日を過ぎてから20日ごろまでが一般的なマナーです。
配送を依頼する場合には、この時期を指定するとよいでしょう。
12月13日はお正月の準備をはじめる「事始め」。
また、20日を過ぎると本格的に慌ただしくなることから、この時期が相手の迷惑にもならずベストなタイミングです。
しかし、肉やカニ、数の子などの生鮮食品を贈る場合には、お正月料理として使うことを想定して、20日を過ぎてもよいでしょう。
その際は事前に相手へひとこと連絡しておくとよいですね。
加えて、歳末の百貨店商戦との兼ね合いから、お歳暮の時期は年々早まる傾向にあり、11月下旬ごろの早めの時期から贈るケースも多くみられます。
形式にこだわりすぎず、相手の都合や受け取りやすいタイミングを第一に考慮して贈ることが大切です。
お歳暮時期の地域による違い
関東地方では他の地域に比べてお歳暮の時期が早く、12月に入ってすぐから届き始めるケースが多いようです。
もちろん、贈る相手が関東在住だからといって、必ずしも12月の初旬までに届くようにしなければならないわけではありません。
基本的には他の地域と同じく、12月20日ごろまでに相手の手元に到着すればマナーとしてOKです。
お歳暮を贈る時期は12月13〜20日が一般的ですが、関東では少し早めに贈るのがおすすめです。
お歳暮の正しいマナーとルール
つづいて、お歳暮のマナーやルールについて詳しくお伝えしましょう。
お歳暮とは
そもそもお歳暮とは、年末にご先祖を供養したり、神様を祀ったりする際に、供物を用意したのが起源だといわれています。
もともとはお供え物だったため、日持ちのするものが選ばれていました。
その後、次第に変化し、江戸時代には商人が「歳暮まわり」と称して、年末の時期に得意先に品物を贈るように。
また、分家した人や嫁入りした人が、本家へ年末の挨拶とともに品物を贈る習慣もあったんだとか。
やがて明治時代ごろから今と同じようなお歳暮の習慣が定着してきたといわれています。
のし紙の書き方
本来、贈り物をする際には、「和紙で包み、水引を結んで、のしをつける」手順が正しい作法です。
しかし、現代では簡略化され、水引やのしがプリントされた「のし紙」を使うのが一般的。
のし紙を選ぶ際、水引に注意しましょう。お歳暮などの贈答やお祝いごと全般に使う水引は、紅白の蝶結びです。
ほどきやすいことから「何回あってもよい」という意味を持ちます。
同じお祝いでも結婚や快気祝いなどの場合には、紅白の結び切りの水引を使います。
「お歳暮」の表書きはのしや水引にかからないよう、中央上段に書くのがマナーです。
贈り主の名前は中央下段に表書きよりも少し小さめに。
ボールペンではなく筆ペンなどを使い、はっきりとした文字で丁寧に書きましょう。
添え状や挨拶状のマナー
最近では、お歳暮は配送が一般的となったため、お世話になっている目上の方などには添え状を同封するか、贈り物が届く前に封書で挨拶状を送るのがマナーです。
贈る相手に受け取りの手間を取らせないためにも、また、事前に贈ったことを伝えておくという意味でも、事前に挨拶状を送っておきたいもの。
しかし、気心が知れた間柄であれば、電話やハガキでその旨を伝えても構いません。
お歳暮の渡し方
現代では配送することの方が多いお歳暮ですが、本来なら年末の挨拶も兼ねて手渡しするのが理想。
たしかに配達すると手間も少なく便利なのですが、今後のよりよいお付き合いのためにも、手渡しで贈ってみるのもおすすめです。
手渡しで贈るには、相手の都合に合わせた時間帯を選び、基本的には玄関先で渡すようにしましょう。
品物を手渡す際は、のしが相手側から正しく見えるように持って両手で渡します。
もちろん、品物を渡すと同時に、感謝の気持ちを言葉にして伝えることを忘れずにしましょう。
細かいマナーやルールは相手のことを思いやっているというあらわれ。ちょっと面倒に思えるかもしれませんが、正しく贈って気持ちを伝えましょう。
最新お歳暮事情!品物の選び方
お歳暮を贈る際にもっとも悩むのが品物の選び方です。
贈った相手に喜ばれる品物を選ぶために、事前に好みや家族構成などをリサーチしておきたいですね。
変わった品物よりも、定番品を選ぶ方が失敗も少なく喜んでもらえる確率もアップ。
ここでは、定番のお歳暮品を選ぶときに気をつけたいポイントについて解説しましょう。
食べ物は家族構成に配慮
お歳暮といえばハムやソーセージの詰め合わせや、フルーツ、魚介類といった食べ物を贈るのが定番ですよね。
食べ物を贈る際のポイントは家族構成です。
夫婦ふたりであれば量よりも質を重視したちょっぴり贅沢な品を選ぶ、お子さんがいる家庭ならみんなでワイワイ食べられるような品がよいでしょう。
お酒はプレミアム感のあるものを
お酒好きな方には、普段はちょっと手の出ないプレミアム感のあるものを選ぶと喜ばれます。
ビールならギフト用の高級ラインはもちろん、クラフトビールや地ビール、輸入ビールなどもおすすめです。
ワインなら華やかなシャンパンやスパークリングワイン、好みの分かれる日本酒ならいくつかの種類の詰め合わせを選んでみてはいかがでしょうか?
いつもとちょっと違うプレミアムなお酒なら、お正月のお祝いの席にもぴったりです。
スイーツは日持ちするものを
子どもだけでなく大人も大好きなスイーツは、日持ちするものを選ぶのがポイント。
クッキーやパウンドケーキなど定番の焼き菓子や、健康志向の高まりからドライフルーツやナッツ、グラノーラなども最近は人気です。
到着から1週間ほど賞味期限があるとよいでしょう。
また、小分けになっているものなら、贈る相手に開封後すぐに食べなくてはという負担をかけないのでおすすめです。
カタログギフトは若い方に
近年スタンダードになりつつあるカタログギフト。
しかし、若い世代では自分で好きな品物を選べて嬉しいと感じる人が多いものの、年配の世代では味気ないと思う人も少なくありません。
そのため、目上の方や上司にカタログギフトを贈ろうと検討しているなら要注意。
もし「カタログギフトは失礼にあたるかも?」と少しでも感じたら、定番の品物を選ぶ方をおすすめします。
また若い世代の方にカタログギフトを贈る場合でも、添え状やメッセージカードを同封して気持ちを伝えるとより心のこもったお歳暮になるでしょう。
洗剤はおしゃれで贅沢なものを
お世話になった相手に何を贈ったらいいか悩んだときにぴったりなのが、生活必需品の台所用や衣類用などの洗剤です。
食べ物のように賞味期限や消費期限がないので、気兼ねなく贈れます。
おすすめはドラッグストアやスーパーなどでは普段見かけない、素材や香りなどにこだわりのある洗剤。
また、高品質なタオルやスポンジなどとセットになった詰め合わせも人気です。
海外メーカーのものなら、スタイリッシュなパッケージで素敵ですよね。
基本的には定番品で、季節感のあるもの、日持ちするものを選びましょう。
お歳暮を贈る際の注意点
実際にお歳暮を贈る際に気をつけたい注意点もいくつかあります。
お歳暮を贈ってはいけない場合
お歳暮を贈ってはいけない場合はとくにありません。
相手やこちらが喪中であっても、お歳暮はお祝いの品ではないため、贈ることに問題はなく、例年通り贈ることは可能です。
しかしその際は紅白の水引が書かれたのし紙は避け、白無地の紙に「お歳暮」と書いて贈るとよいでしょう。
また、まだ四十九日が過ぎていない忌中の場合には、忌明け後に1月15日(関東は7日)を過ぎてから「寒中見舞い」の名目で贈ることをおすすめします。
お歳暮に贈ってはいけない品物
普段であれば何気なくプレゼントしているものでも、お歳暮などの贈答品として贈るのにふさわしくない品物も数多くあります。
品物を選ぶ前に、その理由とともにあらかじめチェックしておきましょう。
■靴下や靴、マットなど:これらは「足で踏みつける」ことから、「相手を踏みつける」ことにつながるため。
■下着や肌着:下着や肌着など身につけるものを贈ることは、「みすぼらしい格好をしている」ことを意味するため。
■はさみや包丁などの刃物:鋭利な刃が「縁を切る」ことを連想させるため。
■金券や商品券:金額のはっきりわかる金券や商品券は「金品を恵んでやる」といった上から目線や、品物を選ぶ心遣いがみられないことから、とくに目上の方へ贈るのは失礼にあたります。
■ハンカチ:漢字で「手巾」と書き、「手切れ」つまり縁を切ることを意味するため。
■筆記用具や時計:これらを贈ることには「もっと勉強を頑張りなさい」という意味があり、目上の方や上司に贈るのは失礼にあたります。
翌年以降のお歳暮をどうするか
お歳暮は基本的に一度贈ったら、その後相手との関係性が変化しない限りは、毎年贈るのがマナーです。
一年の感謝の気持ちを込めた品物を「毎年」贈ることがお歳暮の風習なので、一度きりのお歳暮では、逆に失礼に当たってしまうため。
もし、贈るのは今年だけにしたいと考えているなら「お歳暮」ではなく、「お礼」や「粗品」といった表書きで品物を贈るとよいでしょう。
お歳暮の時期を逃した時の対処法
前述したようにお歳暮を贈る時期にはマナーがありますが、なんらかの事情でタイミングを逃してしまうこともありますよね。
12月31日までであれば「お歳暮」として贈ることができますが、大晦日を過ぎてしまったら「お歳暮」としてではなく、次のように違った名目で贈りましょう。
年明けから松の内までなら「お年賀」
「お年賀」とは、本来新しい年を迎えるにあたって挨拶の意味を込めて贈る品物のことですが、年内に送り損ねてしまったのであれば、お年賀として贈るとよいでしょう。
ただし、お年賀はお歳暮と異なり、相手先を訪問して手渡しするのがならわしなので注意を。
お正月の三が日の間に届けるの正式なマナーですが、遅くとも1月15日の松の内(関東では1月7日)までに手渡しするようにしましょう。
注意したいのが、こちら側か贈る相手側のどちらかが喪中や忌中の場合には、お年賀として贈ることはできないということ。
その場合には事前に欠礼を詫びた上で、次に解説する「寒中見舞い」として贈るようにしましょう。
松の内から立春までなら「寒中見舞い」
「寒中見舞い」とは、松の内を過ぎてから立春(2月4日)までに贈るお見舞いのことです。
年賀状を出しそびれてしまったときなどに、寒中見舞いのハガキを出した経験がある方も多いでしょう。
それと同じようにお歳暮のタイミングを逃してしまった際にも、寒中見舞いとして贈ることができます。
もし、寒中見舞いの時期を逃してしまった場合には、さらに「余寒見舞い」として贈ることができますが、できるだけ早めに手配しておきましょう。
お歳暮を贈った相手にはお中元も贈るべき?
お歳暮を贈ったらお中元も同じように贈るのが基本的なならわしですが、必ずしも両方贈るべきというわけではありません。
しかし、お中元を贈ったのであれば、お歳暮も贈るのがマナー。
それはお中元が上半期のお礼だけでなく、「残り半年もよろしくお願いします」という意味が込められているため、一年の締めの挨拶であるお歳暮がないのは失礼にあたるためです。
もし、どちらか片方だけにしたいのであればお中元ではなく、一年分のお礼を込めて贈るお歳暮だけにしましょう。
まとめ
お歳暮はお世話になった相手へ一年間の感謝の思いとともに贈る、季節のご挨拶の品です。
気持ちを込めることはもちろん、お歳暮をいつまでに贈るかといった時期や、品物の選び方などのマナーやルールを守ることも大切。
せっかく心を込めたギフトでも贈り方を間違ってしまうと、失礼になりかねず、これから先の関係にヒビが入ってしまいかねません。
- お歳暮を贈る時期は12月13〜20日までが一般的
- お歳暮はマナーやルールを守らないと失礼にあたることも
- お歳暮は相手の好みや家族構成を事前にリサーチしておく
- お歳暮を贈るタイミングを逃したら「お年賀」や「寒中見舞い」として年明けに
何かと面倒に思えるかもしれませんが、裏を返せば「あなたのことを大切に想っていますよ」というメッセージでもあります。
心からのギフトはマナーやルールを守って選んで贈り、これからもよりよい関係を築いていくきっかけにしたいですね。