食品マークは信頼の証?安心安全な食のために知っておきたい食品表示マーク
私たちの食生活は豊かになり選択肢が広がった一方で、数多くの商品の中からどれを選べばよいのか、売り場で悩むことも少なくありません。
そんなとき頼りになるのが食品パッケージに表示されているマークです。国やさまざまな機関、業界団体が独自にルールを設け、適合した商品にのみ表示が許可されるため、品質を見極める判断材料になります。
今回は私たちが買い物するときに役立つ、食品に表示されるマークをご紹介しましょう。
1.JASマーク
食品に表示されるマークの中でも有名なJASマーク。「JAS規格制度」にもとづき、JAS規格(日本農林規格)を満たしている商品にのみ、JASマークをつけることが許されます。
平成31年1月23日現在、65品目について207の規格が定められています。
一般JASマーク
色や香り、原材料などの品質において、JAS規格を満たす食品などに付けられるマークです。
カップ麺やしょうゆ、果実飲料など食品だけでなく集成材や生糸、畳表といった林産物にも規格があります。
有機JASマーク
農薬や化学肥料を原則として使わずに栽培された農産物に付けられるマークです。また遺伝子組み換え技術を使わないことも定められています。
有機JASマークがない農産物は「有機」や「オーガニック」と表示できません。
特色JASマーク
これまでの「特定JASマーク」「生産情報JASマーク」「定温流通JASマーク」の3つが統合されて「特色JASマーク」となりました。
特別な生産方法や特色ある原材料、生産情報の公開などこだわりを持った高付加価値の規格を満たす食品に付けられます。
2.公正マーク
公正競争規約に従い、適切な表示をしていると認められる食品に表示されるマークです。
飲用乳やはちみつ、食用塩、めんたいこ、ハム・ソーセージなど各業界団体が公正取引協議会の指導のもとに表示の基準やルールを独自に制定し、それぞれの業界で異なるマークを持ちます。
3.地域特産品認証マーク(Eマーク)
地域の原材料のよさを活かして作られた特産品に対して付けられるマークです。
優れた品質(Excellent Quality)、正確な表示(Exact Expression)、地球の環境と調和(Harmony with Ecology)の英字のEと、良い品(イーシナ)であることを表しています。
各都道府県において品質や表示の基準が制定され、生産者や製造業者から申請のあった地域特産品に対して適合すればマークの付与が認められます。
4.SQマーク
一般社団法人菓子・食品新素材技術センターがお菓子の安全と品質保証のために独自の管理基準を設け、適合した製品に対し付けられるマークです。
多種多様な菓子類が発売され、さらに輸入菓子も年々増えていることから、品質の識別や評価の基準として消費者に役立ててほしいとの思いから制定されました。
5.認定証マーク
一般社団法人日本冷凍食品協会が運営する「冷凍食品認定制度」に適合の判定がされた認定工場で製造され、認定基準にも適合した冷凍食品にのみ付けられるマークです。
昭和44年に発足した同協会は翌年には冷凍食品の認定制度をスタートさせました。以後、食の安全・品質の向上を目的に基準の改定を繰り返すなど、安心安全な冷凍食品への取り組みをおこなっています。
6.冷凍めん協会(RMK)認定マーク
日本冷凍めん協会は工場の品質保証と衛生管理を徹底するため独自の基準を設け、適合した認定工場で生産された冷凍めんにのみ、表示が許可されているマークです。
年1回以上の工場監査や年2回の製品一斉検査など、厳格な審査の上、適合か否かが判定されます。消費者の信頼により応えるため、厳しい認定基準を設けた認定制度を導入し、安心と安全を追求しています。
7.特定保健用食品(トクホ)
CMなどで耳にすることの多い特定保健用食品(トクホ)は、国(消費者庁)が特定の食品に健康表示を許可したマークです。
健康の維持や増進に役立つことが科学的な根拠で認められた食品にのみ、「コレステロールの吸収を抑える」「お腹の調子を整える食品」などと表示できます。
食品を摂取することで得られる効果や安全性は国が審査をおこない、承認される必要があります。
8.機能性表示食品
トクホと似ている『機能性表示食品』ですが、企業の責任において、科学的根拠に基づいて、特定の保健の目的(=機能性)が表示できる点が異なります。
またトクホのように特定のマークは制定されていません。
トクホのように国が審査や許可をおこなうわけではありませんが、正しく届け出ることで、食品の機能性を表示することができます。
9.特別用途食品
乳児や幼児の発育、妊産婦、病気にかかっている人の健康維持や回復などに適している特別の用途を目的とした食品に表示され、消費者庁の認可を受ける必要があるマークです。
病者用食品として低タンパク質食品やアレルゲン除去食、嚥下困難者用としてとろみ調整用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳や乳児用調製粉乳などがあります。
熱中症対策に使われる経口補水液も特別用途食品のひとつです。
10.ユニバーサルデザインフード
普段の食事から介護用食まで使える、食べやすさに配慮した食品に付けられるマークです。
レトルトや冷凍食品、とろみ調整食品など多岐にわたりますが、いずれも日本介護食品協議会が制定した規格に適合する必要があります。
ロゴマークとともにかたさや粘度といった区分表示もされ、利用に適した商品を適切に選ぶことができます。
11.JHFAマーク
公益財団法人日本健康・栄養食品協会の審査基準に適合した健康補助食品にのみ付けられるマークです。
「含まれる成分などの製品規格」「製造・加工等の基準」「適正な表示・広告」の3つの項目において審査がおこなわれています。
12.JPAマーク
日本プレミックス協会の会員企業のホットケーキミックスやケーキミックス、天ぷら粉、唐揚げ粉、お好み焼き粉などに表示されるマークです。
13.全国無洗米協会認証マーク
特定非営利活動法人全国無洗米協会が定めた無洗米の基準に適合したお米のみに付与されるマークです。
- 製造時に異物を添加しない
- 食味を落とさない
- 環境に高負荷をかけない
- 産業廃棄物を出さない
以上の4点をクリアした無洗米にのみ、『認証無洗米』として販売できます。
14.全国餅工業協同組合シンボルマーク
国内産水稲もち米100%で作られている商品にのみ表示される、包装餅の品質保証マークです。
パッケージの表示については自主検査をおこない、品質については公正な第三者検定機関に分析検定を依頼し、品質の維持・向上に務めています。
まとめ
食品の表示マークは、私たち消費者が商品を選ぶ際の大切な情報源です。
国や自治体、各業界が独自に定める一定の規格や基準をクリアした場合にだけ付けられるマークは、食の安心や安全を追求する上で欠かせません。
よく目にするマークでも意味をきちんと知っているものは意外と少なかったのではないでしょうか? ぜひ食品の表示マークについて理解を深め、安全・安心でより豊かな食生活を送りたいものですね。