【地域別】鏡餅はいつまで飾るの?意味や由来、飾りはじめる時期を徹底解説
お正月飾りの1つである鏡餅ですが、いつまで飾ればいいのかご存知でしょうか?
じつは鏡餅は、飾る日は全国共通ですが、片づける日は地域によって違うのです。
そこで今回は、鏡餅はいつまで飾るのかについて解説していきます。
鏡餅の由来や鏡餅の保存方法についてもまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
【地域別】鏡餅はいつまで飾るの?地域によって片づける時期が違う
鏡餅を含めた正月飾りを飾る期間は、地域によって異なります。
鏡餅や門松などお正月飾りを飾っておく期間のことを「松の内」といい、地域によってその期間が違うのです。
【東北・関東・九州】1月7日まで
東北・関東では1月1日から1月7日まで鏡餅を飾るのが一般的です。
また、九州の久留米市にある大善寺玉垂宮で開催される「鬼夜」と呼ばれる行事があります。
日本三大火祭りとされるこの行事ですが、1月7日に行われることから、九州では松の内を1月7日とされています。
【関西】1月15日まで
もともと松の内は、日本各地で1月1日から1月15日とされており、鏡開きも20日に行われていました。
しかし江戸時代に明暦の大火が起きたことをきっかけに幕府が1月7日までと定めたという説があります。
関西地方を中心としたエリアは、以前の松の内の期間をそのまま引き継ぎ、1月15日まで鏡餅を飾るところが多いです。
鏡餅はいつから飾るの?飾りはじめる時期は全国共通
鏡餅を片付ける時期は先ほど説明した通り、地域によって違います。
しかし鏡餅を飾りはじめる時期は、全国共通で12月の半ばからとされています。
12月半ば以降、いつから飾っても問題ないのですが、クリスマスを終えた26日以降から鏡餅や正月飾りを行う家庭が多いです。
中でも12月28日は末広がりの「八」が通じており、鏡餅を飾るのに非常に縁起が良い日とされています。
【注意!】鏡餅を飾ってはいけない日
12月29日と12月31日は鏡餅を飾ってはいけないとされている日です。
12月29日は29を「二重苦」に通ずるということから、縁起が悪いとされています。
また31日は葬儀と同じ「一夜飾り」に通じて縁起が悪いです。
鏡餅を飾るときは、29日と31日は控えましょう。
ただ、宗派によってはあえて一夜飾りで鏡餅をお供えする風習もあります。
各家庭の宗派や慣習に従って、家族と相談しながら鏡餅を飾る時期を決めましょう。
なぜお正月に鏡餅を飾るの?由来と意味
鏡餅は、正月に訪れる年神様の拠り所とされており、松の内の間は神様の魂が宿るといわれています。
鏡開きには、その魂が宿ったありがたい餅をいただくことで、年神様の力を分けてもらうと同時に、無病息災を願う意味が込められているのです。
鏡餅という言葉は、鏡は魂が宿るとされているものであり、その鏡を餅に見立てたことが由来とされています。
また、鏡餅に付いている飾りにも1つひとつ意味が込められています。
- 橙(だいだい)……子孫が代々(だいだい)栄えるよう願う
- 御幣(ごへい)……赤は魔除けを願って、子孫繁栄を願う
- 四方紅(しほうべに)……災いを払い、繁栄を願う
- 裏白(うらじろ)……長寿を願う
- 三方(さんぽう)……神様にお供えするものに使用する台
鏡餅を飾るときは、餅だけでなく飾りの意味も考えながら飾るといつものお正月がより特別なものに感じられますよ。
お正月に食べるおせち料理にも様々な願いが込められていますので、こちらも合わせてご覧ください。
鏡餅の飾り方
鏡餅は一つだけではなく、複数個用意してお供えして問題ありません。
まず一番大きい鏡餅は床の間にお供えしましょう。
もし床の間がない場合は、リビングといった家族が集まる場所にメインの鏡餅をお供えしましょう。
小さめの鏡餅は、仏壇や神棚にお供えします。
ここで注意するのが、テレビの近くや低い場所に置かないこと。
テレビ付近は騒がしい場所なので、静かにお正月を過ごしたい年神様の拠り所としては不適切です。
低い位置に置いてしまうと、見下す形になってしまいます。
鏡餅を置く際は、騒がしい機器から離れて、リビングボードなどの上に置くように心がけましょう。
また、供える方角については、その年の恵方に従うか、南向きまたは東向きが良いといわれています。
上記でも解説したように、鏡餅は年神様の拠り所となるものです。
子供部屋や書斎など、年神様に来ていただきたい場所に一つずつお供えするのがおすすめです。
鏡餅を長持ちさせる保存方法と正しい処分方法
鏡餅は地域によって違いますが、短くても1週間、長いと約1ヵ月飾ることになります。
鏡餅は最終的に食べることで無病息災を得られますが、手作りの鏡餅の場合、その前にカビてしまうことも。
ここでは鏡餅の保存方法と残念ながらカビて食べられなくなった鏡餅の処分方法を紹介します。
鏡餅の保存方法
手作りの鏡餅には、もちとり粉が付いておりカビやすくなっています。
リビングなど家族の集まる場所は、エアコンなどの暖房が付いており室温は20~25℃前後。
最もカビが繁殖しやすい環境になっているのです。
ここでは焼酎を使った、鏡餅を松の内飾っておく場合の保存方法をご紹介します。
- 焼酎(純度が高いものがベスト)
- ボトルスプレー
- ボトルスプレーに焼酎を入れる
- 鏡餅にまんべんなく多めに噴射
- 松の内の間、1日1回噴射を繰り返す
純度の高い焼酎で、鏡餅をコーティングしてカビを防ぐ保存方法です。
焼酎はアルコール35度以上のものがおすすめ。
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、毎日噴射しても食べるときに匂いを感じることはほとんどありません。
鏡餅の処分方法
鏡餅は1月11日の鏡開きまで飾っておきますが、その時期にカビが生えてしまう場合もありますよね。
処分をしたくても、鏡餅は縁起物のひとつ。
やむなく処分する場合は、下記の手順に沿って処分をしましょう。
- 半紙や新聞紙の上に鏡餅を置く
- お越しくださった年神様に感謝の気持ちを伝えながら合掌
- 鏡餅に塩を「左、右、中央」の順に振ってお清めをする。その後敷いてある半紙や新聞紙で鏡餅を包む。
- 新しいゴミ袋を用意して、鏡餅を入れる。鏡餅を入れた後に包んだ神に塩を振る。(他のゴミと一緒に入れないようにしましょう。)
- 最後に手を合わせてゴミ袋を閉じる。
また、上記の手順で処分することに抵抗がある場合は、どんど焼きで処分する方法をあります。
どんど焼きとは、正月飾りを焼く煙と一緒に天に帰る神様をお見送りする神事です。
正月飾りと一緒に鏡餅も出すことができます。
まとめ:鏡餅を飾って年神様を迎えよう
鏡餅を飾る期間を含め、お正月の慣習は地域によって違います。
自分の住んでいる地域に合わせて、年神様を迎えましょう。
- 鏡餅を飾る期間は地域ごと異なる
- 鏡餅を飾る時期は全国共通だが飾ってはいけない日がある
- 鏡餅はカビが生えやすいので注意
カビが生えてしまいがちな鏡餅に関しても、正しい保存方法を知っておくことで無駄なく食べられます。
鏡餅の意味や保存をチェックし、家族みんなが1年間無病息災で過ごせるよう、年神様を迎えましょう。