意外と知らないお正月の豆知識。初詣は鉄道会社のキャンペーンが始まり?
慌ただしい年末が過ぎるとやってくるお正月。おせちを食べたり初詣に出かけたりと、伝統的な行事が目白押しですが、それらの本当の由来や意味については意外と知られていないものです。
今回は知っておくと年末年始をもっと楽しめる、お正月にまつわる豆知識をご紹介します。
1.おみくじを枝に結びつけるのはNG!?
初詣でひいたおみくじは持って帰りますか? それとも枝に結ぶ?ご神木に結びつけると願いが叶う、なんて思っていませんか?
本来おみくじは枝に結びつけるものではありません。結びつけられたおみくじの重みで木が傷み、枯れてしまう原因にもなってしまいます。
専用のおみくじ掛けを用意している神社も多く、そこへ結びつけるのは問題ありません。
もちろんいつでも読み返せるように、持ち帰るのもOKですよ。
2.初詣は鉄道会社のキャンペーンで広まった!?
お正月の恒例行事である初詣。さぞかし古い伝統があるのかと思いきや、じつは明治時代の中期に広まった、比較的歴史の浅いものなんです。
一家の家長が年末から元日にかけて地元の氏神様の社へこもる「年籠り」という行事はあったものの、それまでは家族でお正月に神社へお詣りする習慣はありませんでした。
初詣は、神奈川県にある川崎大師が発祥の地。正月休みの行楽を兼ねて、わが国最初の鉄道である、新橋ー横浜間の沿線にある川崎大師へお詣りに行こう! というキャンペーンを鉄道会社がおこなったのが始まりだといわれています。
その後全国的にも広まり、「初詣」という言葉も定着したんだそう。今でも初詣といえば川崎大師が有名ですよね。
3.お年玉はお金じゃなくお餅だった!?
子どもにとってのお正月のメインイベントともいえるお年玉。昔はお金ではなく、お餅をあげていました。
そもそもお正月は年神様を家に迎えてもてなし、新しい年の幸せや恵みを授けてもらう行事。
「年玉」とは、新しい年に年神様から授かる「年魂」、つまり「新しい魂」のことを意味していました。そして家にいらっしゃった年神様は鏡餅に宿るとされ、餅を食べることでその魂を分け与えていただく、と考えられていたのです。
年神様に供えて魂が宿った鏡餅は家長が家族に分け与え、その餅玉を「御年玉」や「御年魂」と呼んだことがお年玉のルーツだといわれています。
4.祝い箸の両端が丸いのは神様と兼用だから!?
おせちやお雑煮をいただくときの祝い箸。両端が丸いことから、どちらで食べたらいいか悩んだことありませんか?
じつはこれ、片方は年神様が、もう一方は人が使うために両方の端が丸くなっているんです。
お正月はお供えした食べ物を年神様といただく「神人共食」の日。年神様と一緒に食事をすることで、新しい年に幸せや恵みをもたらしてくれると考えられています。
使いやすいから、と反対側を取り箸として使ってしまわないようにしましょうね。
また祝い箸の中ほどが太くなっているのは「はらみ箸」といい子孫繁栄や、ふくらみが米俵のようにも見えることから五穀豊穣の願いも込められています。
まとめ
毎年なんとなくおめでたい気分で過ごすお正月の行事にはさまざまな由来や意味があるものの、意外と知られていません。
お正月の持つ本来の意味や歴史の奥深さに触れて、新しい年への思いを新たにする機会にしてみませんか?