妊娠中にNGな食材や食品とは?ママと赤ちゃんのための7つのポイント
妊娠中には摂取を避けるべき、または摂取しすぎると影響があるとされている食材や成分が少なくありません。アルコールやカフェインが代表的ですが、その他にも意外と多くの成分や食品があり、妊娠中には注意が必要です。
今回は妊婦さんが気をつけたい食品の成分や具体的な食材について、詳しく解説しましょう。
なぜ妊娠中は食べ物に注意するべき?
妊娠中、お腹の赤ちゃんはお母さんの食べたものを栄養として成長します。また妊娠中は妊娠していないときに比べて免疫力が落ちているため、食中毒や食品を介しての感染症にもかかりやすいという特徴もあります。
そのため妊娠中は食べ物に気を配り、お腹の赤ちゃんやお母さんの健康を守る必要があるのです。
妊婦さんが気をつけたい食品の成分やポイント
それでは妊娠中に気をつけたい食品の成分や、食材選びのポイントについて解説します。
1.アルコール
妊娠中にアルコールを摂取すると胎盤を通して赤ちゃんへ送られ、胎児の成長に影響することがあります。「胎児性アルコール症候群」という先天異常を引き起こすことも。
また流産や死産の原因となる場合もあるため、妊娠中の飲酒はNGです。
どうしても飲みたくなったら、ノンアルコールのビールやカクテルなど(アルコール分0.00%の表示があるもの)で気分転換をはかりたいですね。
2.カフェイン
カフェインは血管収縮を促すため、過剰な摂取はお腹の張りや流産・早産のリスクを高めます。またカフェインに含まれる「タンニン」の作用により、カルシウム不足や貧血を起こしやすくなることも。
さらに胎盤に送られる血液が減少することで、赤ちゃんに酸素や栄養素がしっかりと行き渡らなくなり、発達が阻害される可能性もあります。
コーヒーや紅茶であれば一日に1〜2杯程度にとどめておくようにしましょう。最近はノンカフェインのコーヒーや紅茶も種類が増えているので、それらを飲むのもおすすめです。
またコーラやココア、チョコレート、栄養ドリンクや緑茶にもカフェインが含まれているため、摂取しすぎには気をつけたいですね。
3.マグロなどメチル水銀を多く含む魚
メチル水銀は大量に摂取すると赤ちゃんに神経障害をもたらしたり、運動機能や知能発達に影響を与えたりする場合があります。
多くの魚介類にメチル水銀は含まれていますが、とくに食物連鎖の上位に存在するマグロなどの大型魚は成分が濃縮され、蓄積量も多いため摂取には注意が必要です。
しかしまったく食べてはいけないというわけではありません。以下の量が摂取の目安なので参考にしましょう。
■1回80g(切り身1切れほど)を週1回までならOK
- メカジキ
- キンメダイ
- クロマグロ
- メバチマグロ
■1回80gを週2回までならOK
- キダイ
- クロムツ
- マカジキ
- ユメカサゴ
- ミナミマグロ
またキハダマグロやビンナガマグロ、メジマグロ、そしてツナ缶に関してはとくに決められた量はありません。
ヘルシーで栄養たっぷりの魚は妊娠中の食生活にも取り入れたいもの。量や頻度に気をつけて、上手に食べましょう。
4.食中毒を引き起こすおそれのある食材
妊娠中は体力が落ちやすかったりつわりで思うように食事が摂れなかったりするため、免疫力も下がりがちです。そのため思わぬ食材で食中毒になってしまうことも少なくありません。
食中毒による激しい下痢は子宮収縮を促進し、流産や切迫早産の原因となることもあります。
生卵や加熱不十分な貝類、魚や肉などに注意が必要です。刺身もできるだけ避けるほうがよいでしょう。シメサバや炙り寿司などもおすすめできません。
また生で食べる野菜や果物はしっかりと洗ってから食べるようにしてくださいね。
リステリア菌に注意!
食中毒を引き起こす菌のなかでも、妊娠中とくに注意が必要なのがリステリア菌です。
健康な人は感染しても発症することは少ないのですが、免疫機能が落ちている妊婦は発症の可能性が非常に高いため、注意が必要です。
流産や早産、死産のおそれがあるほか、生まれた赤ちゃんに髄膜炎や敗血症を引き起こす場合もあります。
加熱処理されていないナチュラルチーズ、生ハムやスモークサーモン、肉や魚のパテ、未殺菌の生乳などから感染する可能性があるため、妊娠中これらは避けるようにしましょう。
ただしプロセスチーズは加熱処理されているため食べてもOK。ナチュラルチーズもしっかりと加熱して食べるのであれば問題ないといわれています。
5.トキソプラズマに感染するおそれのある食材
免疫力の落ちている妊娠中は感染症にも注意しましょう。とくにトキソプラズマに感染している肉を生、もしくは十分に加熱しないで食べてしまうと、お母さんだけでなくお腹の赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。
生ハムや鳥刺し、ユッケ、馬刺し、レアステーキ、サラミなどは避けるようにしましょう。
妊娠初期の感染ほど重症化しやすく、妊娠後期に感染すると赤ちゃんへの感染率が上がります。また死産や流産の危険性も。
生まれてくる赤ちゃんにも、脳に髄液が溜まる水頭症や視力障害などの可能性が高まります。
トキソプラズマはきちんと加熱することで死滅するため、肉を調理する際にはしっかり火を通すことが大切です。
6.ビタミンA(レチノール)
妊婦にもお腹の赤ちゃんにも必要なビタミンAですが、過剰に摂取すると生まれてくる赤ちゃんに奇形を生じさせることもあるため要注意です。
とくに妊娠初期はリスクが高く、ビタミンAを非常に多く含むレバーやビタミン剤、サプリメントなどは控えるようにしましょう。うなぎやあなごも多くのビタミンAを含むため、注意が必要です。
ただし気をつけるべきビタミンAは、レバーなどに含まれる動物性のレチノールという種類。摂りすぎると体内に蓄積され、赤ちゃんの異常の原因となってしまうことも。
ビタミンAの中でも植物性のβカロテンであれば、多く摂取しても必要な分だけが吸収されて残りは排出されるため、たっぷり食べても問題がないとされています。
βカロテンはカボチャやにんじん、春菊、ほうれん草などに多く含まれています。油分と一緒に摂取することで吸収率もアップするため、油で炒めるなどして食べるのがおすすめです。
7.ヨウ素(ヨード)
ひじきや昆布、わかめ、海苔といった海藻類に多く含まれるヨウ素(ヨード)は、妊娠中に欠かせない栄養素のひとつです。
しかし過剰に摂取してしまうと、赤ちゃんの甲状腺機能が低下するおそれがあります。日本人は海藻類を普段から多く食べる傾向にあるため、過剰摂取してしまう可能性が高く、注意が必要です。
とはいえ、基本的には味噌汁やサラダなどで摂取する程度の量であれば問題ないといわれています。しかし海藻類が好きで毎日多く食べるという場合には、少し控えるようにしましょう。
また昆布だしやめんつゆ、ドレッシングといった調味料にも昆布エキスが多く含まれているため、摂りすぎには気をつけたいですね。
まとめ
妊娠中に気をつけたい食材や摂取のポイントについて解説しました。
たくさんありすぎてうんざりしてしまったかもしれませんが、アルコールや食中毒・感染症の原因となりかねない食材を避けて、基本的にはバランスのよい食事を心がけておけばOKです。
神経質になりすぎるとストレスになり、逆にお腹の赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまうこともあるため注意しましょう。
また意外と一般的に知られていない食材や食品も多いため、食事の際に勧められることもあるかもしれません。妊娠中にNGな食材や食品をきちんと知っておくことで、知らずに食べてしまったなどの事態を防ぐことができます。
生まれてくる赤ちゃんや自分の身体のためにも、安心・安全でおいしい食生活を心がけたいですね。