リボ払いを選択することにデメリットはある?
クレジットカードを使った後に「毎月の支払い額が軽減されるリボ払いに変更しませんか?」という勧誘が来ることがあります。
「来月はカードの支払いもきついし、負担が軽くなるならば結構いいかも?」と思われるかもしれません。
ですが、本当にリボ払いがどのようなものかきちんと把握していますか?
この支払方法を選ぶことで、思いのほか損をすることになるかもしれないのです。
今回はリボ払いとはどのような仕組みなのか、そして気を付けてもらいたい点について解説します。
リボ払いとはどのようなもの?
リボ払い(リボルビング払い)とは簡単にいうと「毎月の支払額を一定金額に抑えられる」支払い方です。
このリボ払いですが、二通りの支払い方法があります。二通りの支払い方法のうち、どちらができるかはカード会社ごとに違いますので、契約時の書類等で確認しておきましょう。
残高スライド方式とは?
まずは「残高スライド方式」ですが、残高に応じ毎月の支払額が変わっていくという方式です。
下の図をご覧ください。
この図の例では、支払い残高が10万円未満の時は毎月の支払額は5,000円、10~15万円の時は1万円になっています。
定額方式とは?
もう一つの方法が「定額方式」です。こちらは残高に関係なく、毎月の支払い額が一定になります。
毎月支払う金額については契約時に取り決めます。
- リボ払いを選択すると、毎月のカード支払い額を一定額に抑えられる
- 「残高スライド方式」と「定額方式」の二通りがある
リボ払いと分割払いはどう違う?
クレジットカードの利用金額を分けて支払っていく方法といえば、リボ払い以外に「分割払い」もあります。リボ払いと分割払いにはどのような違いがあるのでしょうか。
分割払いでは、購入の度に支払い回数を決め、翌月から支払いが始まります。
例えば、クレジットカードを使って1万円の買い物をし、5回払いを選んだとしましょう。(実際の分割払いには手数料が発生しますが、記事中では考慮しません)
毎月の支払額は
1万円÷5回=2,000円
になります。
さらに同月に別の2万円の商品を5回払いで購入したとします。
その分の支払いは
2万円÷5回=4,000円
です。
2商品分の支払いをすることになるので、翌月からの支払いは
2,000円+4,000円=6,000円
になります。
複数の商品を購入しても、ずっと同じ金額を支払い続けるリボ払いとの違いはここなのです。
手数料にも違いがある!
リボ払いと分割払いの違いは手数料にもあります。
分割払いの手数料率は〇%~〇%と表記されています。例えばVISAカードの場合、分割手数料は12%~14.5%です。
分割払いでは支払い回数が多くなるほど手数料率も高くなっています。
反対にリボ払いの手数料率は固定です。
VISAカードでも一律15%となっています。
完全に支払いが終わるまでの期間が長くても短くても同じ手数料率なのです。
- リボ払いはいくら購入しても翌月からの支払額は同額
- 分割払いは購入ごとに支払い回数を指定するため、購入回数が増えたら翌月からの支払い額も増える
- リボ払いの手数料率は一定
- 分割払いの手数料は支払い回数によって変わる
リボ払いのメリット・デメリットを考えよう
ところでリボ払いにメリットはあるのかも気になります。
リボ払いのいいところはただ一つ「毎月の支払い金額が一定のため、生活に影響を及ぼしにくい」という点のみです。
どれだけ高額な買い物をした後でも、翌月大きな金額が銀行から引き落とされるわけではありません。毎月同じ金額が引き落とされるだけです。いわゆる「予想外の大出費」は生じません。翌月の生活からいきなりピンチに陥り、水道光熱費等を支払えなかったという事態は起こらないはずです。
ですが、メリットは本当にその一点のみといえます。デメリットの方が非常に大きい支払い方法なのです。
リボ払いのデメリットとは?
リボ払いの大きなデメリットは、支払い回数が分かりにくい点ではないでしょうか。
いくら買い物をしても同じ金額を支払い続けます。そのため、次から次へと買い物をする人はいつまでたっても支払いが終わらないということもあり得るのです。
また、手数料率の高さも問題です。毎月の支払い金額の中に年率にして15%ほどの手数料も含まれています。手数料は残高にかかるため、買い物をし続けたら手数料も多くかかり、残高がなかなか減らせなくなります。
このようにデメリットがいくつもあるため、リボ払いはしっかり考えた上で選ぶようにしてください。
- 支払い金額が一定になるため、翌月出ていく金額の予測が立てやすくいきなり生活に困る事態にはならない
- 支払い回数が不明確。いつ支払いが終わるかも分かりにくい
- 手数料率が非常に高い
リボ払いを選ぶ前に考えてほしいこと
どれだけ買い物をしても支払い金額が一定になるのは魅力ですが、支払い回数が分かりにくいことや高い手数料率のこともあり、リボ払いはおすすめできる支払い方法ではありません。
クレジットカードを使って買い物をする際はなるべく手数料のかからない「翌月一括払い」や「ボーナス一括払い」を選ぶようにしましょう。
一括払いが無理な場合には「分割払い」を選択することをおすすめします。手数料率を小さくするために分割回数を少なめに設定することも忘れないでください。
それでもリボ払いを選んでしまったら
リボ払いを選んで支払い中であったとしても諦めないでください。残っている残高を一括で支払うという方法もあるのです。
もし手元の資金に余裕があるならば、毎月少しずつ支払うのではなく一括で支払ってスッキリさせてはいかがでしょうか。
残高を一括で支払う方法はカード会社によって違います。ホームページやコールセンターで確認してください。
- 一括払い・ボーナス一括払いができないか考える
- 一括払いができない時は少ない回数の分割払いにする
- リボ払いを選んでしまったら、残高を一括で支払いができないかを確認する
まとめ
クレジットカードのリボ払いは毎月の支払いが一定になるというメリットがある反面、いつまで支払い続けるのか分かりにくいというデメリットがあります。
クレジットカードで買い物をする際は、なるべく一括払いや分割払いを選んでください。
それでもリボ払いを選びたいという人は、手数料率までしっかり把握してください。また、今以上に残高を増やさないために次の買い物の際はリボ払いを選ばないようにすることも大事だといえるでしょう。