給与明細の見方は?思ったより給与が少ないなら控除が原因かも!
社会人になって初めて給与明細を受け取ったとき、見方がわからず困る人は多いです。
給与明細は単に給与の金額が書かれているわけではなく、さまざまな項目で構成されています。
給与から差し引かれる金額も書かれており、控除について知らなければ混乱してしまうかも知れません。
どのようなお金が給与から差し引かれるのかを知ることで、モヤモヤした気持ちがスッキリするでしょう。
そこで今回は、給与明細のそれぞれの項目の見方や注意点などについて解説していきます。
給与明細の正しい扱い方を理解して、給与についての悩みを解決してください。
給与明細とは
給与明細とは、会社が従業員に支払う給与について記載された書面のことです。
所得税法という法律で、給与明細の交付が会社には義務付けられています。
また、社会保険料の計算書の発行も会社の義務です。
給与明細には、大きく分けると支給、控除、差引支給額、課税対象額が載っています。
他にも支給や控除の理由となる勤怠の情報も給与明細に書かれていることが多いです。
これらの項目について理解しておくことで、給与明細を正しく見れるようになります。
特に控除については、給与明細を見慣れていなければ、給与から差し引かれるお金の正体がわからずに驚いてしまうはずです。
しかし、給与明細を正しく見ることができれば、支給される金額にも納得できるでしょう。
支給や控除、差引支給額、課税対象額、勤怠について、それぞれ順番に確認していきます。
給与明細の項目の見方は?
給与明細の項目には以下のようなものがあります。
- 支給
- 控除
- 差引支給額
- 課税対象額
- 勤怠
給与明細を見て自分の収入について正しく知るためには、見方を知っておくことが大切です。
見方を知らないままだと、給与から差し引かれているお金に不満を感じてしまうかもしれません。
それぞれの項目について、順番に確認していきましょう。
支給の項目
支給の項目には、基本給を中心としたあなたが受け取ることのできるお金が記載されています。
基本給以外に書かれるのは、資格手当や家族手当、残業手当、通勤費などです。
当月に自分に入ってくるお金を確認したいなら支給の項目を見るようにしてください。
手当は会社によって規定がさまざまなので、自分に支給されるべき手当がすべて支給されているのかを毎回確認しておきましょう。
控除の項目
控除の項目には、支給されるお金のうち、社会保険料や労働保険料、所得税、住民税などの差し引かれるお金が記載されています。
控除という言葉に聞き覚えがない人もいるかもしれませんが、給与から差し引かれるお金だと考えれば良いです。
会社は従業員に給与を支払う前に、国に対して税金や社会保険料を納めています。
会社によって先に納められたお金が、給与明細の控除の項目に書かれているのです。
他にも会社での積立貯蓄や保険を利用していて給与から差し引く契約にしているのなら、控除項目に含まれます。
本来納めなければならないお金や支払わなければならないお金を、会社が事前に給与から差し引いて手続きをしていると考えてください。
単に支給の金額がそのまま受け取れるというわけではないので、控除の項目も確認しておきましょう。
差引支給額の項目
差引支給額の項目には、支給額から控除額を引いたお金が記載されています。
実際に給料としてもらえる金額は、この差引支給額です。
差引支給額のことは、一般的には手取り金額と呼ばれています。
自分の手元に入る給与の金額を知りたいのなら、手取りである差引支給額の項目を確認してください。
控除される分があるので、支給額よりも実際に受け取れる金額は低くなることに注意しておきましょう。
課税対象額の項目
課税対象額には、支給額から社会保険料や労働保険料などの税金がかからない項目を引いたお金が記載されています。
お給料のうちで交通費や出張の旅費、社会保険料、雇用保険料などは税金がかかりません。
そのような非課税となる項目を支給額から差し引くことで出てくるのが課税対象額です。
課税対象額を用いて、所得税や住民税の計算が行われます。
自分が納めるべき税金を計算したいというときには、課税対象額の項目を見るようにしましょう。
勤怠の項目
勤怠の項目には、給与明細に記載される期間内に出勤した日数や欠勤した日数が記載されています。
欠勤だけではなく遅刻や早退も書かれるので、勤怠を見ればその月の労働状況がすぐにわかるはずです。
したがって、自分の当月の勤務状態を確認したいときには勤怠の項目を見るようにしてください。
特に時間外労働の数字はミスが起きやすいので、自分が働いた時間数と同じかを確かめる習慣をつけるのが良いでしょう。
以上が、給与明細のそれぞれの項目の見方でした。
このように給与明細の各項目はどれも重要な意味があるので、受け取ったらすべてを確認しておくべきです。
給与明細は差引支給額以外も確認するべき
給与明細をもらったら、すべての項目をしっかりと確認するようにしましょう。
差引支給額しか見ないという人も多いですが、それでは損をしてしまう可能性があります。
たとえば、時間外労働や休日労働が正しく記載されていないケースです。
時間外労働や休日労働をしていても、適切に支給されていないことがあります。
これは、勤怠の項目をしっかりと見ることで正しいかを確かめることが可能です。
勤怠の項目に時間外労働数が書かれているのであれば、数値が正しくて適切な手当の金額を受け取れているのかを確認してみてください。
もしもミスがあったのであれば、いち早く会社側に伝えるようにしましょう。
このように、給与明細は差引支給額以外の項目も重要なので、受け取ったらすぐにすべての項目を確認しなければなりません。
ちなみに、あとから給与明細にミスがあったことがわかっても対応できるように、給与明細は保管してくのが良いです。
給与明細は保管しておこう
給与明細はもらってすぐに捨てずに、保管しておくと良いでしょう。
給与明細は自分のお金の動きが書かれている大切な書類です。
毎月の書かれている内容がほとんど同じだとしても、捨てるべきではありません。
なぜなら、給与明細は住民税や所得税といった税金を計算する際に根拠となる書類でもあるからです。
給与明細には、どのくらいの収入を手に入れたのかが具体的に書かれています。
したがって、あとから税金の金額に疑問が出てきたとき、1年間の給与明細を見れば正しいのかを確かめることが可能です。
また、税金以外にも厚生年金が収入の数値と関係しています。
もしも年金の手続きに不備があったなら、税金と同様に給与明細で確認しなければなりません。
会社側のミスで誤った税額を納めていたことがわかったとき、給与明細があると解決がスムーズです。
なので、給与明細は最低でも2年間は保存しておくようにしてください。
給与明細の保管方法は?
給与明細の適切な保管方法は、紙とデータのどちらで受け取っているのかで変わります。
給与明細を紙として受け取っているのであれば、ノートに貼るかファイルに入れておくのが良いです。
ノートでもファイルでも、月順に並べておくと見返したときにわかりやすくなります。
データで受け取るのであれば、誤って消さないようなわかりやすいファイル名で保存しておくべきです。
どのようなファイル名だとしても、必要になったときにすぐに見つけられるのであれば問題ありません。
しっかりと給与明細の保管を癖付けて、何かあったときも慌てないようにしましょう。
給与明細は自分の月報とも言えるもの
給与明細は、あなたが会社で行ってきたことをまとめた月報のようなものとも考えられます。
勤務日数や勤務時間を見ることで、働き方を見直すキッカケにもなる重要なものです。
手に入る給与の金額だけではなく、あなたの会社での業務への取り組み方やライフスタイルなどについても給与明細を見ながら考えてみてください。
たまに見返すことで、会社側のあなたへの評価がどのように移り変わっていったのかを知ることもできます。
まとめ
給与明細とは、会社が従業員に対して支払う給与について記載された書面のことです。
支給される金額以外にも重要な情報が書かれているので、受け取ったらしっかりと目を通すようにしましょう。
特に、控除については意識していなければ、思ったよりも給料が少なくて驚いてしまうかもしれません。
したがって給与明細に目を通す際には、それぞれの項目の意味を考えた上で見る必要があります。
また、あとから支給ミスなどのトラブルがあっても対処できるように、受け取ってから2年間は保管するようにしてください。