源泉徴収票とは?利用目的や項目の見方について徹底解説!
働きだすと、年末に源泉徴収票を会社から受け取ります。
源泉徴収票を正しく見れるようになれば、あなたの納めている税金について理解が深まるはずです。
パッと見は難しく見える源泉徴収票ですが、重要な5つの項目の見方をおさえれば問題ありません。
今回は、源泉徴収票とはどのようなものなのかや、源泉徴収票の見方を解説していきます。
各項目の内容を知っておけば、源泉徴収票をもらったときに意味がわかるようになります。
源泉徴収票とは?
源泉徴収票とは、会社側が1年間で支払った給与の額と源泉徴収した額の合計が載った書類です。
源泉徴収票は、従業員1人ずつにそれぞれ作られます。
源泉徴収票が作られるのは、以下の2つのタイミングです。
- 従業員が退職するとき
- 年末調整の計算をしたとき
それぞれについて、順番に確認しておきましょう。
タイミング1.従業員が退職するとき
従業員が退職するときには、会社側は源泉徴収票を発行しなければなりません。
1月1日から退職日までの給与をもとに作成されます。
退職する従業員が確定申告する場合や、転職先での年末調整の場合に使われます。
タイミング2.年末調整の計算をしたとき
年末調整の計算をしたときも、会社側は源泉徴収票を発行する必要があります。
この場合の源泉徴収票は、年末調整の最終報告書という意味合いがあるものです。
従業員に1部、税務署に1部、市区町村に2部を会社は発行します。
したがって、1人の従業員に4枚の源泉徴収票が発行されるのです。
ちなみに、市区町村に発行されるものは、給与支払報告書と呼ばれます。
次に、源泉徴収票の利用目的について見ていきましょう。
源泉徴収票の利用目的は?
源泉徴収票は、1ヶ所だけからしか所得を受け取らない人には、所得証明の書類となります。
つまり、確定申告をしなくても良い人なら、源泉徴収票が所得を証明するのです。
所得証明の書類は、ローンの借入や賃貸契約の審査など信用が見られるときに使われます。
信用の審査では多くの場合、3年間分以上の源泉徴収票が求められるでしょう。
他にも保育園の申し込みや年金受給の際にも求められることがあります。
また、2ヶ所以上から所得を受け取る人は、確定申告の際に所得金額の証明に源泉徴収票が必要です。
確定申告に不備があったときは、過去5年間分の源泉徴収票が求められることもあります。
他にも、年の途中で転職した人は、転職先の年末調整の際に以前の職場の源泉徴収票を出すことになるはずです。
したがって、転職をするなら源泉徴収票を発行してもらって保管しておかなければなりません。
それでは、源泉徴収票がどのようなものなのかがわかったところで、見方を確認していきましょう。
源泉徴収票の見方は?
源泉徴収票を見る際のポイントは5つです。
- 支払金額
- 給与所得控除後の金額
- 所得控除の額の合計額
- 源泉徴収税額
- 社会保険料等の金額
これらの5つの項目の読み方がわかれば、源泉徴収票の意味もわかります。
それぞれの項目について、順番に確認しておきましょう。
支払金額
支払い金額の項目は、各種手当を含んだ額面の給料を指します。
残業代やボーナスも含まれた、1年間の合計の所得の額です。
年収とほぼ同じ金額になりますが、非課税となる額は支払い金額に含まれません。
したがって、通勤費や出張の交通費・滞在費も支払い金額には入らないです。
給与所得控除後の金額
給与所得控除後の金額の項目には、年収に応じた控除金額を引いた額が書かれます。
年末調整の際には、給与所得控除が行われるためです。
給与所得控除では、会社勤めの人にも必要経費があると考えて一定の金額を年収から引き、納税額を抑えます。
差し引かれる控除金額は、以下のようになっています。
収入金額 | 給与所得控除額 |
162.5万円以下 | 65万円 |
162.5万円超え・180万円以下 | 収入金額×40% |
180万円超え・360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超え・660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円超え・1,000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1,000万円超え | 220万円 |
所得控除の額の合計額
所得控除の額の合計額の項目には、給与所得控除以外の合所の額が書かれます。
この項目に書かれるのは、以下の2つの金額です。
- 毎月の給与計算で控除してきた金額
- 年末調整で控除される金額
毎月控除してきた金額には、健康保険料や厚生年金料、雇用保険料などが含まれます。
年末調整で控除される金額は、基礎控除や配偶者控除です。
源泉徴収票の下に、どのような控除があったのかの内訳が書かれているので確認してみてください。
源泉徴収税額
源泉徴収税額の項目には、1年間で徴収された税額が書かれています。
『給与所得控除後の金額』−『所得控除の額の合計額』=課税対象となる金額です。
給与水準と扶養家族の人数によって決められている源泉徴収税額表を見れば、源泉徴収税額がわかります。
社会保険料等の金額
社会保険料等の金額の項目には、1年間に支払った社会保険料の額が書かれています。
つまり、1年の間に給与から引かれていた社会保険の合計額です。
たとえば、健康保険料や厚生年金料、雇用保険料、介護保険料が挙げられます。
このような社会保険については、毎月もらえる給与明細にも書かれているので確認してみてください。
以上が、源泉徴収票の見方でした。
ご紹介した5つの項目の見方がわかれば、源泉徴収票の意味がわかるはずです。
源泉徴収票はしっかり保管しておこう!
源泉徴収票は、しっかりと保管しておくべきです。
もらって目を通したらすぐに捨ててしまうという人もいるかもしれません。
しかし、源泉徴収票はローン借入の際に使われます。
他にも、医療費控除を行うときに必要です。
入院をして医療費が1年間に10万円を超えたとき、確定申告を行うなら源泉徴収票がいります。
したがって、源泉徴収票は受け取ってから5年間は保管しておくようにしましょう。
年度順にファイリングをしておけば、いざというときにすぐに取り出せるので安心です。
源泉徴収票をなくしたら再発行できる?
源泉徴収票をなくしても、7年の間は再発行ができます。
なぜなら、会社側は源泉徴収票を7年間保存しておかなければならないためです。
もしもなくしてしまったなら、会社側に源泉徴収票の再発行を頼みましょう。
会社を退職してからでも、源泉徴収票が必要であることを伝えれば再発行してもらえます。
なくしても手に入らないものではないので安心してください。
まとめ
源泉徴収票とは、会社側が1年間で支払った給与の額と源泉徴収した額の合計が載った書類です。
源泉徴収票は所得を証明する書類なので、ローン借入や確定申告の際に必要となります。
源泉徴収票の内容は5つの項目についておさえれば、理解できるはずです。
5年間は源泉徴収票が求められるシーンが出てくる可能性があるので、しっかりと保管しておきましょう。